基礎に防蟻対策をしなかった発泡系断熱材の蟻害
防蟻性のない押出法ポリスチレンフォームから シロアリが侵入 築三年で土台→通し柱→一階天井 まで食べられてしまったケース。 <神奈川県>
|
シロアリの巣になった壁内の繊維系断熱材 中途半端な気密施工を行った結果、 壁内結露が発生、 在来シロアリの好むジメジメとした温かい環境と なったためにシロアリ御殿となった。
|
断熱材の材質や形状の特性により、人畜無害のシロアリ防除をした断熱材は、
EPS(発泡ポリスチレンフォーム)しか技術的に製造ができません。
その技術開発に成功したのが世界で唯一AFM社であり、その特許(日米両国で取得済)製品が、
AFM社のパフォームガードなのです。
特許第3308956(日本)パフォームガードは極寒の南極基地で40年以上も前から使用されている、
優れた性質を持つビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)に、人体や動物などに無害な
無機質(ホウ酸系化合物)の物質を、ビーズ一粒づつ均一に含有させる技術を用いて作られた、
シロアリ防除機能付きの断熱材です。防蟻性能が半永久的であり、(注) 安定した成分によって
自然分解がなく、土壌汚染など地球環境への害がないことをアメリカ環境保護庁(EPA)が
承認をしています。
(注)毒物を使用していないので、蟻がお腹をこわすまでかじることはあります。
断熱材はシロアリに弱い!!!建築後に「知らなかった」ではすまされない!
木造建築の大害虫であるシロアリにはヤマトシロアリ・イエシロアリが日本では有名です。
温暖で湿潤を好むシロアリが北海道まで被害をもたらしていますが、このことは地球の温暖化と
間違った断熱材の使い方による高気密・高断熱施行によるものです。雑食性昆虫のシロアリは
強靭なコロニーを形成し、木材はもちろんプラスチック・ゴム・石膏ボードの紙、時にはレンガ、
コンクリートにもかじりつきマンションの高層部にも被害が確認されてます。
また近年、外来種であるアメリカカンザイシロアリ(注)の被害が局地的に広がっております。
(注)アメリカカンザイ(乾材)シロアリは乾燥した気を好むシロアリで、床下だけではなく屋根裏など
でも乾燥した木材に巣を作る厄介なシロアリです。
【南極昭和基地無電棟に使用されたEPS断熱材】
1 経緯
1957年、日本建築学会・南極建築委員会が設計、 竹中工務店が実施設計、制作した
第1次南極観測隊用建物が1997年、40年ぶりに昭和基地から帰って来ました。
この建物の中には、我国初の木製バネル構造プレハブ建築(平面: 4.8m X8.4m=40.3平方メートル)が
含まれています。標準パネルは長さ242cm×幅121cm×厚さ10cm、尾州檜の枠材及び芯材で
構成されたフレームの両面に樺合板(6プライ.厚さ: 6mm)を張り.中空部にEPS断熱材をはさんだ
軽量・高断熱パネルになります。この構成材料、部材の性能チェックが、竹中技術研究所と
日大理工学部で調査されました。
2 EPS断熱材の熱伝導率変化
熱伝導率測定は、 JIS A 1412 (保温材の熱伝導率測定法)に準じて行われ、創建当時からの
熱伝導率の変化はほとんど見られませんでした。(図2)
セルの状態も観察しましたが.異常はありませんでした。
[ 図2 ]EPS断熱材の熱伝導率の変化
3 まとめ
南極で40年経過したこの建屋のEPS断熱材は、南極の非常に厳しい使用環境にもかかわらず、
断熱性が建設当初の性能に比べても、ほとんど劣化していないことが分かりました。
出典; 建築雑誌/Vol.112, No.1411/1997年9月号
【EPS建材 低い吸水性】
EPS建材は製品の密度が大きい(発泡倍率が小さい)ほど吸水量(吸水率)や透湿係数(透湿度)は小さく、耐水性は
優れます。
図1 EPS密度と吸水量の関係 | 図2 EPS密度と透湿係数の関係 |
【EPS建材はフロンを発生しないノンフロン断熱材】
フロンガス
フロンガスは空気と比べて熟伝導率が小さく、冷蔵庫やクーラーの冷媒としての用途の他、断熱材
分野においては、現場発泡ウレタンの噴射剤や、押出法ポリスチレンフォームの発泡剤として使用
されています。
フロンガスは炭素、水素、塩素、フッ素が構成する、塩化フッ化炭化水素の呼称であり、工業的に
生産されている種類は数百種類に及びます。
1974年米カリフォルニア大学のローランド教授とモリナ博士が科学雑誌「Nature」に、クロロフルオロ
メタン類(CFC、フロンの一種)により地球の成層圏オゾンが破壊され、地上に到達する紫外線量が
増加して、生態系や人の健康に重大な影響を劇ます可能性がある旨の論文を発表。
その後、地球温暖化防止への取組が本格化しました。
1976年 国連環境計画会議でオゾン層保護委員会を設置
1978年 米国でエアロゾル噴射用のフロンガス禁止 カナダ、北欧4カ国(1979年)、日本(1980年)
1985年 オゾン層保護基本協定(条約)がウィーンで成立
1987年 モントリオール議定書採択 フロンの3分の2を生産する11カ国が批准、発行を決定
1988年 日本で、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(フロン等規制法)」公布
この議定書内で規制対象となったフロンガスは、CFC5種(R−11,R−12,R−113,R−114,R−115)
であり、特に使用量が多く、かつオゾン層の破壊作用の強い化合物に限定したことになります。
この5種のCFCを一般に「特定フロン」と呼び、その他のフロンを「代替フロン」と呼びますが、
1997年12月気候変動枠組条約第3回締約E]会議(COP3)が京都で開催され、“CFC”、“HCFC”
の代替フロン類‘HFC’“PFC”、“SF6’’3種(HFC等)も規制対象となりました。日本においては、
二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素にHFC等の3ガスを加えた計6ガスの排出量合計を、2010年時点
で1990年時点の−6%にする必要があります(HFC等は1995年時点)また、フロンは総じて強力な
温室効果ガスであるとともに、その中の塩素を含むフロン(HFC、HCFC)はオゾン層破壊物質でも
あり、現在、フロン類は以下のように分類されています。
● 特定フロン モントリオール議定書内で指定された CFC5種を指す。
● 特定フロン等 特定フロン以外のCFC、HCFCを指す。
(塩素を含み、オゾン層破壊物質でもあるフロン)。
● 代替フロン 特定フロン及び特定フロン等以外のフロン類(HFC等の塩素を含まないフロン)
ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)はすべてのグレードで、特定・代替を問わず、フロンを
一切使用していない断熱材です。